国道335から272へ。
天候にも恵まれ快調に飛ばしていきました。
その日一日が、この旅最大のハードワークになるなんて、その時は思ってもいませんでした。
軽く迷子になりながらも、無事にアップダウンの道を経由して開陽台へ。
「地球が丸く見える」
のモニュメントは今も健在です。
ただ、建物が30数年前から見ると建て替わっていました。
その時は天候が悪く、8月というのに店内でストーブを焚いていたことを覚えています。
今回は、ずっと天気には恵まれこの日も日差しがあたたかでした。
次に摩周湖へ。
途中、弟子屈の町もウトロ同様昔の記憶に比べ、はるかに開けていました。
その日、摩周湖は快晴。
私は今回4回目。前回の3回目でやっと晴れていたのに、友人は1回目で晴れの摩周湖を見ることができました。かなりのラッキーです。
次に屈斜路湖へ。
和琴半島に立ち寄りました。
ここは以前車で来た時にキャンプしました。
近くの露天風呂に行き、そこの牛乳がうまくてうまくて今でもはっきり覚えていますが、今回は先を急ぐので断念。
で、急ぎすぎたのか道を間違えました。
弟子屈に戻って241で足寄、上士幌から糠平湖経由で鹿の谷温泉へいくつもりだったのに、急ぐあまり、うっかりその先の美幌峠へ上ってしまいました。
今更弟子屈へ戻る気もせず、そのまま北見へ。
北見に着いた頃にはもうすっかり夕暮れ時。
友人がネットで良さそうなレストランを見つけ、北見郊外のその店を目指しました。
かなり郊外だったので、結構時間がかかり、とっぷり暮れてから到着。
店内にあかりはあるものの、看板は点灯しておらず何やら嫌な予感。
その日はイベントがあるため、夜間の一般営業はしないとのこと。
何でそんなのに引き当るかな・・・なんて思いながら出発。
薄暗い山の上に雲が下りてきていて不穏な雰囲気満載。
まあ、国道39だし、何とかなるだろうと思いながら進む。
道の駅を見つけ、そのレストランに向かうも、たった今営業終了したとのこと。
友人が店の人に近くに飲食店がないかを尋ね、紹介してもらう。
その店は表通りからちょっと入ったところにあって、ちょっと迷いながらも無事到着。
実はその日、「秘湯」鹿の谷温泉に宿をとっていましたが、夕食はなく、素泊まりの予定でした。夕方以降冷えていましたので、あたたかな塩ラーメンに本当に救われました。
それから近くのGSで給油しながら聞いてみると、この先は層雲峡までコンビニがないらしいので、近くのコンビニでとりあえず買い物を済ませて準備万端整いました。
時間は18時半くらいだったのですが、北海道は、この時期17時頃にはとっぷり暮れていて、また人通りも少なかったため、22時頃の感じ。しかもこれから標高1,100mくらいの三国峠を越えるのだ。
「これからが本番ですね」と私が言うと、友人は「走りがいがある!」なんて強がりを言っていた。
国道39は大動脈なので通行量が多く、路面はタイヤのわだちでデコボコしていた。
トップヘビーでバランスの悪いスカブはわだちに跳ね飛ばされてふらふらしているそばを友人のモンキー改がかっ飛ばしてゆく。みるみるうちに見えなくなった。
後で聞いてみると、わだちに飛ばされても軽いモンキーはキック一発でバランス回復するから、楽しくてしょうがないそうだ。
「モンキーサイコー!」
と喜んでいた。
ていうか、知らない夜道で、そもそも地元ではない2000k彼方の北海道で、小雨の中、わだちボコボコなんだから、フツー安全運転するでしょ!
そんな頭のねじがぶっ飛んだ友人も、石北峠にかかる霧にはすっかり閉口したようで、逆にびっくりするほどの安全運転になった。
深い霧で、ほんの8mくらい先までのセンターラインしか見えない。
思えば初めて摩周湖に行った時もこんな霧が出ていた。その後、地元では久住で、旅先では、八幡平、伊豆高原、蒜山高原など多くの場数を踏んできたからコツはわかる。無理せず、センターラインをトレースするのだ。
峠を下ると、霧がはれた。
左に曲がると三国峠に向かう道だ。
その交差点で一服すると、電飾掲示板に鹿のイラストつきで「動物飛び出し注意」とあったから、「くれぐれも安全運転でいきましょうね」と友人に伝えた。
「わかった」といいながらも友人は3分もしないうちにピューと飛ばして行って見えなくなった。
地元九州でも深夜には、狸も鹿も出てくる。私は友人にはついていかず、安全運転につとめた。
しばらく行くと、友人がバイクを止めて待っていた。
「ここが三国峠です」
友人は看板を指さした。
そうは言っても真っ暗で何も見えない。
峠を下り、鹿の谷温泉にチェックインしたのは、21時頃だった。
-その5に続く-